大藏省:戰爭保險を付けませう!
実家にて第2次世界大戦時の戦争保険チラシを発掘した。戦中政府なのに国民に対して意外と丁寧で腰が低い。経後の首相宮澤喜一氏が担当だったとか。ジャパンアーカイブスにもあった。1942年のものらしい。だとすると「敵は何時又ゲリラ戦に出て来るか」は日中戦争中の出来事を参照しているのだろうか。
以下全文
戰爭保險を付けませう!
戰爭保險のあらまし
- 皆樣御承知のやうに我が國は精銳無比の陸海軍を擁し、開戰以來陸に海に空に赫々たる戰果を擧げて居ります。
- 但し油斷は禁物であります。敵は何時又ゲリラ戰に出てくるかわかりません。
- 銃後の我々は、今後益々防空への備へを固くすると共に、萬一空襲に因って我々の財產が損害を蒙った時の用意に付いても、平素から萬全を期して置かなければなりません。
- 其の爲にはまず第一に我々の住宅、家財、工場、商品などに戰爭保險を付けて置くことが肝要であります。之は生活安定の上からも、產業維持の上からも大切なことであります。
- 火災保險會社で引受けてゐる火災保險は、失火其の他の普通の火災に因って損害を蒙った時だけしか、保險金を拂ひません。從って普通の火災保險が付けてあっても別に戰爭保險を付けなければ戰爭の爲に蒙った損害に對しては保險金は貰へません。
- 戰爭保險は空襲其の他の戰爭の爲に蒙った損害に對して、保險金を支拂ふ保險であります。
- 戰爭保險は政府が火災保險會社に契約の引受や保險金の支拂などの仕事をさせ、保險會社が損をしたときには其の全部を政府が補償し儲があったときは其の全部を政府に納めさせることになってゐる謂はゞ國營に等しい保險であります。
- 戰爭保險の保險料は只今のところ住宅、家財、工場、商品などは保險期閒六箇月に對して、保險金額千圓に付いて三圓の割合であります。建物の種類、構造、地域などに依る區別はありません
- 戰爭保險の申込は現在火災保險を付けてあるものは其の保險會社に申込んで下さい。火災保險を付けて無いものは最寄りのどの保險會社に申込んでもかまひません。
- 申込書は保險會社に用意してあります
- 戰爭保險の申込の方法や制度の內容の詳しいことは最寄りの火災保險會社の營業所又は代理店にお尋ね下さい。
大藏省