アニメ作成ウェブサービスを使ってみた
Animakerという、人物の2次元キャラクターを配置してアニメを作成するウェブサービスを利用してみた。無料版で老若男女の人間20体強、有料版では動物も含め114体のキャラが存在する。手ぶりを交えつつ話する、デスクワークする、などビジネスや学校のプレゼンに使えそうな584の動作があり、21の表情も組み合わせると多種多様な表現が可能である(2022年4月現在)。更に各キャラの肌の色、目鼻立ち、髪型、服装等をカスタマイズすることができる。背景も豊富で、有料版で200以上(多分)の屋内外背景が美しいSVG画像で登録されている。写真の背景もある。
キャラの動作はいずれも一定周期のルーチンである。キャラクターを背景の前に配置し複数の動作を順番につなげつつ、文字を表示したり、場面を切り替えたり、自動読み上げ音声やBGMを追加したりしてアニメを作っていくのが基本的な使い方である。
良いところ
政治的正しさ
キャラの性別や人種が豊富なのでビジネスに使いやすい。ウクライナ企業の同種サービスを試してみたところアニメの質や操作感は似たようなものだったが、性別による偏りが強く、男性キャラにしか利用可能でない動作が多かった。特に海外の目を意識すると、これでは今日のビジネスで使い辛い。
動作の数が多い
めちゃくちゃ多い。PC関連に限っても、デスクトップを使う、ラップトップを使う等あって当然の動きの他、PCの前で居眠り、PCの前で退屈そうにする、果てはPCを前に気を散らして紙飛行機を飛ばす、まである。
絵柄がかわいい
キャラの顔がバタ臭くなく清潔感ある。デザイナーがいい仕事してる。
ないキャラはある程度作れる
カスタマイズ機能を使ってキャラをある程度作り出せる。例えば黒人医師キャラは有料版にも存在しないが、黒人キャラをスクラブに着せ替えさせれば黒人医師の誕生である。
動画の使い道がある
作成した動画をMP4形式でダウンロードできる。
悪いところ
エディターがとても使いにくい
- ChromeでもSafariでも編集中に操作できなくなり再読み込みを要することが数分に1回の頻度である。但しMacでなくWindowsなら違うのかもしれない。
- 複数キャラが登場する場面でそれぞれの動きを同一タイムラインに表示できない。動作をシンクロさせるのが一苦労。
- あるキャラに動作を追加し開始と継続の時間を設定するのが面倒。動作の順番を入れ替えることもできない。
これではとても複雑な動画を作る気にはなれない。
動作の数が少ない
「動作の数が多い」と上に書いたことと矛盾するが、数百の動作で表現できることは意外と限られている。立っている、座っているなどの動作があってもつながらないと一連の動作にならない。つなぎのパターンがないループ音楽ソフトみたいな感じ。鼻について使えない動きも多い。動作が繰り返すと特に気になる。
まとめ
キャラと動作の豊富さは有用性が極めて高い一方、Animaker単独で複雑な動画を作成するのは現実的でない。素材の良さを活かし、無地の背景で動作を1周期づつ行うアニメをAnimakerで作って書き出す、背景との合成や音声の追加を含め編集は本格的なビデオ編集ソフトに持ち込むという流れが吉でないかと思う。